概要
- 3月27日に桑名市長が補正予算案を発表した
- 新型コロナウイルス感染症対応に関する緊急経済対策を盛り込む
- プレミアム食事券での飲食店支援は感染拡大を招く恐れがあり不安
- 市職員への期末手当前倒し支給も理解できない
- 4月3日に議会で可決された
記者会見概要
- 3月27日に桑名市長(伊藤徳宇氏)が記者会見で補正予算案を発表
- 一般会計1億5851万8000円増額
- 以下の新型コロナウイルス感染症対応に関する緊急経済対策を盛り込む
- プレミアム付き食事券発行
- 利子補給制度拡充
- 官公需における柔軟な対応
- 市職員への期末手当の前倒し支給
プレミアム付き食事券
会見内容
- 7000円分(プレミアム分2000円)利用可能な食事券を5万5000冊発行
- 使用期間は4月下旬から6カ月以内
- 参加を希望する飲食店で販売
- 飲食業の落ち込みが最大で喫緊の課題
- その他の業種も落ち込んでおり、第2弾、第3弾で対応
- 「オール桑名で地域経済を支えていきたい」
感染拡大を招く恐れがあり不安
このタイミングで外出さらには外食を促すような政策を発表することに驚いた。桑名市でも3月初めから公共施設や学校を閉鎖し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけていた。飲食業、その他の業種の落ち込みは、市民が呼びかけに正しく応じた結果ではないのか。飲食店は感染のリスクが特に高く、欧州ではいくつもの国で閉鎖されている。
市税を投じるならば、市民は食事券を買わねば損である。冊数が限られているため、市民が買いに殺到するかもしれない。買えば、使い切らねば損である。使用期限もあるため、他国のように飲食店が閉鎖される前に使い切ろうと通い詰めるかもしれない。事態がいつ収束するかもわからないのに、なぜ冊数限定の期限付き券を発行するのか。
これは市民の不要不急の飲食店への外出を促す政策である。市内の感染拡大を招く恐れがあり、不安である。税金を投じるならば、飲食店へ補償金を払って感染予防に協力してもらう方が良かった。印刷代も不要である。
市議会決議前日の4月2日、筆者が保健所に問い合わせたところ、市の政策に県が口を出すことはできないとしながら、不要不急の外出・外食は控えた方がいいかを尋ねると、控えた方がいいとの回答だった。
市職員への期末手当の前倒し支給
会見内容
- 市職員の給与条例を一部改正
- 約1000人を対象に6月の期末手当から20万円を4月末に前倒して支給する
- 職員には『この町で公務員をしていることを自覚し、町が壊れかけていることを認識して行動してほしい』と訴える
- 新規の予算を伴わず条例改正すれば全国どの市町でも出来る取組み
理解できない
予算を伴わないとしているが、2ヶ月分の利息が市の損失であり、職員への優遇である。また、市長が何を訴えたところで、ボーナスの前払いではローン返済や学費の支払いなどに充てるために残しておく方も多いのではないか。経済効果も期待できるとは思えない。
市民の大部分が何らかの影響を受けている状況で、まず職員へのボーナス前払いでは、到底納得できない。
4月3日に議会で可決された
この会見で発表された内容は、4月3日に桑名市議会の臨時会ですべて可決された。市議会の議事録は(2020年4月18日現在)まだ更新されていないため、どのような議論がなされたかはわからないが、わかる範囲での記事を近日中に公開する。
出典
Yahoo!ニュース「食事券や期末手当前倒し 桑名市、新型ウイルス経済対策 三重」伊勢新聞